就業規則ナビ>就業規則トラブル事例>就業規則トラブルその2
相談その2 就業規則に除外する定めがなかった
会社規模 50名 医療関連
いきなり事務所の電話がなり、事務員が応答した。
「お急ぎのようですので、対応してもらえますか」という声で私が対応した。
「医療法人の理事長をやっておりますOと申します。以前先生とは交流会か何かでお会いしたのでしょうか?名刺がございましたので、ご連絡させていただいた次第です。」
内容は、この医療法人に勤務するアルバイトの清掃員が退職することになったものの、勤務期間が長かったために理事長は餞別を渡したが全く受け取らず以下のような話をしてきた。
「とりあえず看護士から、貴殿の就業規則を拝見させていただきましたが、退職金はいつもらえるのですか?私は11年間勤めてきましたので、その場合には80万円ほどもらえるはずですが」
「なにをおっしゃってるのですか。あなたはパートどころかアルバイトではないですか。週に2回ほど出院されるだけで退職金などもらえるわけないでしょう。」
「先生がおっしゃることもわかりますが、就業規則には、この医院で勤務するものが対象になっていて、パートやアルバイトには退職金を払わないと定めていないですよね。知り合いに法律家がおりまして、相談したらもらえるとのことでしたので、お世話になって申し訳ないのですが、これをあてにしております。規則には、とりあえず1ヶ月以内に支払うとありますので、楽しみにしております。」
この清掃員は退職金をあてに家を引っ越すことを決め、大家に退去届を出したそうである。
ただこの医療機関の退職金は勤務年数から、一律いくらという固定制度の退職金をとっていたのも災いした。
司法書士から質問状
どうも納得できない理事長は、とりあえずそんな馬鹿な話があるかと立腹し、そんな請求には応じなかった。不動産の退去届など、そんなもん知るかという態度で挑んだ。
「早く支払ってもらえないですか、他の従業員にいいますよ」
「家の退去届を出してますので、お金をいただかないと引越しができず荷物が移動できません。嫁がノイローゼになりそうですが」
嫌な電話が週に3回ほど鳴ったが、とりあえず無視していると司法書士事務所から書類が届いた。
内容は、判例でもこういった案件は退職金の支払い義務のあること、このまま不払いであれば、簡易裁判所に即時、訴訟をする準備があることを定めた内容であった。
ポイント
就業規則の適用をあらかじめ定めておかなければ、全ての従業員に就業規則が適用されてしまう