就業規則ナビ>就業規則トラブル事例>就業規則トラブルその1
相談その1 就業規則の作成はしていたのですが・・・
企業規模 従業員約14名、卸売業
平成16年の初頭に、いきなり顧問先から電話があった。
「ちょっと私の会社の取引先で懇意にしているY社長から相談を受けているんですが、ちょっと相談に乗ってもらえないかな」
そのような縁で、Y社長にお会いした。
「お忙しいのに恐縮ですが、今起こっている問題はどうも私たちでは解決はできないと思いまして、法律に詳しいMさんに相談したんです。」
Mさんとは、先述した私の顧問先の社長である。元来M氏は、40年ほど社長業をやっているので、だいたいのことは知っているようである。
そのため私も月に1回ほどお会いするのだが、難問ばかりで非常に大変である。
「私を顧問していただいているくらいだから、まあ先生ならなんでもできるでしょう!」
そんな元気のでるようなことをいっていただけることが活力元になっている。また私は彼に数十人のお客様を紹介いただいている。
倉庫の横にある小さな事務所に、往来する車の音が絶え間なく広がる。
「本題から申し上げますと、1人の従業員が先月に退職いたしました。理由は、解雇です。会社の商品を知り合いに横流ししていたのが発覚したのです。」
そういいながら、Y社長はお茶を一杯すすった。
「当然私としても、懲戒や刑事告訴も視野に入れました。」
しかしながらといってY社長は話を続けた
「十分な証拠がないんですね。それを横流ししたという・・・またKは入社して間もないので、被害額もそれほどではないと予想したので、懲戒解雇はやめて、普通解雇の処分にしたんです。」
しかしその後、Kは労基署に行き解雇予告手当を請求してきた。盗人猛々しいというが、まさにそんな話である。
またKは同時に、合理性のない解雇ということで慰謝料も請求してきた。
労働基準監督署から呼び出し
こういった実情を監督署の担当者に伝えたものの、全く意に沿わない見解を署員は提起してきた。
「そういった不正行為ですが、証拠も十分ではないので、これからでも金融機関に出向かれて手当を支払ってください。あと慰謝料ですが、これは民事的な請求ですので、こちらとは関係ありませんが。」
社長は署員に就業規則で懲戒事由に該当すること、今回の件は従業員の将来のためにもと寛大な処分をしたことを付け加えた。
まだ在籍中でしたら解雇予告手当除外認定ができたかもしれませんが、就業規則もなかったようですし難しいでしょう!
「いや就業規則はあります。これでしょう!」
「いやKさんはそんなもの見たこともないといってます。要は周知されていない就業規則ですから全く効力はありませんね。」
「でも」と食い下がったが署員は冷たい口調で
「あの私も忙しいですし、明確な労働基準法違反ですので、このまま放置されてはこちらも強硬的にならざるを得ませんね。とりあえず早く払いなさい。それで払い終わったら、FAXでもいいので振込明細書を送りなさい」
いつのまにか署員は、命令口調になっていた。