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相談その3 セクハラから懲戒解雇
懲戒解雇は会社を崩壊させる可能性がある
人材アウトソーシング事業を行っているK社の地方営業所のT所長に対する苦情があった。
「Tにひつこく食事に誘われているので断りたいのですが、なかなか強引なので・・」
このTは、以前も他の女性従業員から苦情がきたことがあった。
会社の信用を低下させる恐れもあり、女性社長であるKは、セクハラに対しては非常にナーバスな感覚をもっていたために、懲戒解雇することにした。
「単なるスキンシップなので、そんな深刻なものでないのでは・・」という他の社員の忠告もあったが、放置しておけば、状況が悪化すると思ったKは、そのまま押し切った。
「すみませんが、この懲戒解雇の離職票を職安が受理してくれません」
総務担当者がK社長に伝えてきた。
「職安の話では、懲戒解雇に至った経緯書、今までとった始末書や顛末書など全て持参しないとこれではダメらしいです。」
ほどなくしてTから、退職証明書と懲戒解雇の理由を記載した書面を送ってほしいとの連絡があった。
「セクハラをした社員を懲戒解雇するのは当然」
この頃まではK社長は元気であった。
ほどなくしてTから、内容証明が届いた。内容は今まで支払われなかった残業手当の請求書だった。
「Tは所長だから残業代は支払わなくていいと就業規則に定めている」とK社長は強気な姿勢を崩さなかった。そういった流れで、私に相談もちかけてきたのは、ちょうどその頃だった。
「セクハラなので懲戒解雇は当然でしょ」
「いやセクハラというのは、相手が不快に感じるのも広義のセクハラになりますが、労働法で定めているのは、環境型といって露骨に女性に不快感を与えるような言動を行ったり、卑猥なものを職場に持ち込んだりすることと、対価型といって、交際に応じないと女性に不利益を与えたりすることですが、今回のTさんは単に飲みに誘っただけで、これだけでは十分な状況証拠になりませんね」
「あと残業手当ですが、貴社の場合に所長といっても、Tは給与もそんな高くなく、他の従業員と同じように、社長の指揮命令を受けていたことも否定できません。判例でファミレスの店長は管理者でないという判例もあるので、この件も部が悪いように思います。」
しばらくしてTから社長宛の訴状が届いた。
解雇無効による継続賃金支払請求、残業手当一括精算請求、精神的損害による請求