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相談その1 残業代について一斉に請求

よくある事例 残業手当 サービス残業

会社経営のなかで、やっかいな問題のひとつに考えられるのが時間管理です。

従業員の労働時間管理の義務は使用者にあるため、勝手に残業してたとかの言い訳ができません。そのためこういった双方の認識の差が労使トラブルに発展することが少なくありません。

ここによくある相談の象徴のようなできごとがございますので、紹介させていただきます。

ご夫婦で開業して、そろそろ10年になられるリフォーム会社Pの事例です。

夫婦でこつこつ事業を拡大しながら、2年前に外部から人材を雇うことになりました。

「私らも、リフォーム屋からそろそろ脱皮して不動産でも免許とってやる時期かもしれん」とこの時期意気込まれていたものの、この後、従業員から足を引っ張られるなど夢にも思っていません。

初老で建設業の経験のあるKを雇入れました。最初は、真面目な職人さんというような、まさにこのご夫婦が望まれた人材が、あっさりとハローワークの面接ですんなり決まりました。

「いや私ら、こんなにストレートに事業が進むなんて、まさに運が向いてきた。先生さっそく、この事業法人成りさせましょう!」

この事業主が法人成りさせたのも、ちょうどこの頃でした。

さっそく社長は、営業を広く展開し、ワンルームマンションのリフォーム案件を続々と受注してきました。

「今までは外部の職人さんを外注してたから、変動比率が高かったけど、今後は固定した人件費が必要になるから、多く受注をとること」

そういった状況で仕事を進めながら、1年程が経過し、会社も初年度から黒字決算になり、ご夫婦は本当に宅建取引主任者の勉強をされていました。

そうこうしているときに、会社へ1通の手紙が労基署から届きました。開封してみると・・

「会社のことでお聞きしたいことがありますので、○月○日に○○労働基準監督署へお越しください」・・そういった内容でした。

社長は、指示どおり賃金台帳や出勤簿などの書類を持参し、指示された日に行くと、担当官からいきなり

「貴社の従業員さんから連絡があり、どうも貴社は時間管理をされていないみたいですね」
いきなり担当官から発せられた。

「いやうちは、建設業ですから、それぞれの職人の1日の仕事の配分を決め、それに応じた給与を払っています。」

「社長さんいいですか。貴社はKさんは請負の職人さんでないでしょう」

「ですから、納期が迫っていて無理をさせたときは、現場超過手当を支払っています」
とりあえず自社の従業員はKしかいないことから、Kによる申告であると知った社長は興奮していた

「Kさんは1日休憩を除いて、1日12時間ほど働いてられるそうですよ」
担当官は、Kが作成した勤務表らしきものを提示した。

「いやこれは移動時間や現場の休憩時間も入ってますよ」

「わかりましたが、それをあなたが、どういった時間管理されているのですか」

「本人の自主性に任せています」

「話になりませんね・・・時間管理はあなたがする必要があるのですから・・とりあえず1年の残業時間は約○時間で、金額は80万円ほどになりますから、早急にお支払いください」
「あとKさんも不審感をもってられるようですので、早く支払わないと、辞めてしまいますよ」

社長は、本人にまだ辞める気がないとわかると、さらに陰鬱になった。

社長は奥さんに相談し、私にも相談してきた。

「社労士がいるのに、どうなっているんだ」

「いや私は、再三労務管理の契約をアドバイスをしたのに、社長が必要ないしコストもかかるからと労働保険、社会保険の手続きだけでいいとおっしゃったじゃないですか」

「わかりました。ではKに辞めてもらいたいのですが」

「その場合にも、労基署に申告したからとかという理由で解雇できませんよ」

「じゃあいいです。私がガツンとKに言って辞めさせます」

「まあまあ」と伝えたものの、社長を止めるのは誰も無理に思えた。

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